八条委員会の答申機能の意義と薬機法改正案にある医薬品等行政評価・監視委員会に関する質問主意書
我が国の薬事行政を顧みれば、薬害事件が繰り返されてきた。厚生労働省は、こうした過去を真摯にとらえ、血液製剤によるHIV感染のような医薬品による悲惨な被害を再び発生させないという決意を銘記した「誓いの碑」を厚生労働省の正面玄関前に平成十一年に設置したと理解している。今般の薬機法改正案においても、医薬品等行政評価・監視委員会を「八条委員会」として設置することが盛り込まれ、「医薬品等の安全性確保に関する幅広い分野の関係者が医薬品等の安全対策の実施状況を監視・評価することにより、医薬品等行政の透明性の向上を図り、もって重篤な副作用の発生・まん延防止に資する」ことを目的として厚生労働大臣に意見を述べることが期待されている。
医薬品等行政評価・監視委員会の設置にあっては、その立法事実に鑑みれば医薬品にかかる薬事行政全般に対する監視機能が期待されている以上、政府のスタンスと異なる意見を具申することもあり得ると理解する。
そこで政府の見解を問うが、昨今、他の省庁において八条委員会の作業部会による答申を「政府のスタンス」と異なるという理由で受理しないという事例があったと聞くが、この医薬品等行政評価・監視委員会の意見についても政府のスタンスと異なるという理由で意見を退けることがあるという理解でよろしいか、政府の見解を明らかにされたい。また、医薬品等行政評価・監視委員会に期待されるのは、医薬品行政に関して政府の不作為も含めた怠慢等につき、新薬創出等により救える命を増やし健康を守ることとあわせて安全性確保の観点から厳しい意見を提言する機能であると理解しているが、万が一、この理解に齟齬があるのであれば具体的かつ丁寧に説明願いたい。